エビデンスに関してはどちらとも言えない、未確立な分野というのが現状です。ただこれまでにアスリートのスポーツ障害に欧米でも頻回に使用され、良好な結果が得られている報告が多数あることからエビデンスがないとは言い切れません。
PRP最先端のヨーロッパにおいても大規模なRCTがなされていないのが現状である。その一因として各国、また施設によって使用しているPRPが全く異なっていることが挙げられます。つまり一口にPRPと言っても、様々な種類(作成方法、キット)があるわけです。
PRPの種類
さてここでPRPの種類について考えていきたいと思います。
PRPを作成する際の白血球の含有量によって下記①~③に分類されます。
- LR-PRP(leucocyte rich PRP)
白血球を豊富に含むPRP - LP-PRP(leucocyte poor PRP)
白血球を少量含むPRP - pure-PRP
白血球を含まないPRP
特徴
白血球数 ①>②>③
血小板数 ①>②>③
成長因子 ①>②>③
この結果をみると、PRPのミソである血小板や成長因子を多く含んでいるのだから①LR-PRPが最も優れていると考えるかもしれません。実はそうとも言い切れないのです。
なぜなら白血球を多く含むことによる弊害もあるからです。たとえばLR-PRPの場合タンパク異化酵素を他と比べ多く含むためタンパク異化作用を有することです。
つまり組織を分解してしまう可能性がゼロではないのですね。また投与後の炎症惹起も白血球が原因(炎症性サイトカインの放出)とも考えられています。
こういった賛否両論あるため、何に重きを置くかで施設によって使用するPRPは異なってきます。
したがって今後臨床試験を行っていく場合はPRPの作成方法、組成を明記することは極めて重要であり質の高いエビデンスの構築が望まれるところではあります。