PRP療法とは

PRP療法と変形性膝関節症について

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変形性膝関節症(以下OA)は加齢やoveruseに伴い膝の軟骨がすり減ることによって膝痛を起こす病気です。治療としては一般的に投薬、注射、リハビリ、装具療法などがあります。

こういった保存治療でも思うような症状改善がないケースに対して手術治療(鏡視下手術、骨切り、人工関節)が行われているのが現状です。

これまでにOAに対してPRPの効果があったとする論文がいくつか出ているので紹介すると共にPRPがなぜOAに効果があるのかについて考えていきたいと思います。

 

PRPの軟骨への作用

  • 硝子軟骨細胞の増殖、プロテオグリカン産生促進(PDGF)
  • 間葉系幹細胞(MSCs)の軟骨分化、細胞外基質産生促進(TGF-β)
  • プロテオグリカン産生促進、異化抑制(IGF)
  • 軟骨代謝調節(FGF,HGF)
  • 抗炎症効果

 

まとめ

PRP投与によって

関節内組織への栄養効果

軟骨細胞増殖、分化能の促進(軟骨再生)

などが期待できるということになります。

 

整形外科治療の中で、一度傷ついた軟骨というのは再生しないというのがセオリーでした。しかし現在では新しい関節軟骨損傷の治療として培養自家軟骨細胞移植(軟骨そのものを移植する)や間葉系幹細胞移植(軟骨の元となる幹細胞を移植)という研究が進んでいます。これらは軟骨に対して直接的な治療ができます、一方で侵襲が大きく2期的手術が必要となることがデメリットと言えます。

そこで第3の選択肢としてPRP、成長因子投与による侵襲の少ない軟骨治療を検討してみるのも面白いかもしれません。もちろん海外では膝OAに対する論文もいくつか出ていますので紹介したいと思います。

 

 

 

PRPの膝OAに対する有効性を示す論文

いずれもHA(ヒアルロン酸)製剤と比較した場合の効果を検証しており、観察期間は6か月~12か月程度と短い。またLP-PRPを使用している論文が多いことが特徴です。

比較的軽度のOAや若年者では効果がある印象を受けます。

 

☆K-Lgrade3までのOAにplasma PRP 週1毎/4回 関節内投与

6ヵ月成績 HAと比較し優位に改善した(Cerzaら)

 

☆OAにplasma PRP 週1毎/3回 関節内投与

6ヵ月成績 HAと比較し優位に改善 疼痛軽減効果50%(Sanchezら)

 

☆115膝 PRP関節内注射

6~12か月評価で有意な疼痛改善あり(Kon et al)

 

☆261膝 PRP関節内注射(2週毎/3回)

6ヵ月評価 優位な改善あり(Wang)

 

☆27膝 PRP関節内注射(1週毎/3階)

6ヵ月評価 優位な改善あり(Napolitan)

 

☆早期OAに対して 6ヶ月成績 HA注射よりもPRPの方が疼痛改善効果あり(Zhang)

PRPは有効であるが、注射時痛はHAと比較し強い

 

☆K-L grade 1、2の OA20膝に対してPRP5ml関節内注射(1か月毎/6回)

6ヵ月後評価 VAS、IKDC有意な改善あり

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